コラム

HPVワクチンを9月中に接種開始できない場合は…

高校生~27歳(1997年度生まれ)の女性は、HPVワクチンを公費で(無料で)接種できるのが今年度まで、です。

15歳以上の場合は、約6ヶ月かけて3回接種するのが望ましいため、

9月に1回目を接種すると、6ヶ月後の3月に3回目を接種することができて、3回全部を無料で接種できます

そのため、「9月中に接種開始を!」と周知が広まっていますが、

たしかに9月中に1回目を接種する方がスケジュールに余裕はあるのですが、

9月中に接種開始できないともう間に合わない、というわけではありません

接種スケジュール(4価、9価の場合)

一般的な接種スケジュール:

1回目 → 2ヶ月後に2回目 → 4ヶ月後に3回目

なので、3回接種するのに6ヶ月かかります。

短縮スケジュール:

1回目 → 1ヶ月以上あけて2回目 → 3ヶ月以上あけて3回目

なので、最短で4ヶ月間で3回接種できます。

一般的なスケジュールでなくて大丈夫…?と心配される方もおられるかもしれませんが、

添付文書や定期接種実施要領に明記されている接種方法ですので、効果や安全性は標準的な接種スケジュールと同等です。

接種券の確認

というわけで、9月中に間に合わなくてもあきらめずに、

まずは接種券があるかをご確認下さい。

もし見当たらない場合は、住民票がある市区町村の保健所に申請すると再発行してもらえます

保健所に直接行くと、その場でもらえるところもあるため、

保健所に直接もらいに行き、そのまま接種しに来られた方もおられました。

その場で再発行してもらえるかどうかは、事前に保健所にご確認下さい。

今住んでいるところと、住民票の自治体が異なる場合は、

住民票をうつすのが原則ではありますが、

時間がない…という場合は、別の自治体の医療機関で接種したい旨を事前に住民票がある市区町村へ連絡すると、あとで費用が一部助成されることがありますので、ご確認下さい。

注意点

最短で4ヶ月間で3回接種できる、ということは11月中に1回目を接種すればよいのね!と思われるかもですが、

11月末に1回目を接種すると、2回目が12月末となってしまい、年末で医療機関は休診です。

すると、2回目が年明けとなり、3回目は必然的に4月になってしまうので、3回目は自費となってしまいます。

ですので、遅くとも11月中旬までには1回目を接種しましょう

ただ、冬場はインフルエンザなどで予定通りに接種できないということも大いにありえるので、ギリギリを狙わずに、スケジュールに余裕をもってなるべくはやめに1回目を接種されることをおすすめします。

東京23区内の接種券をお持ちの方はInaba Clinicで自己負担なしで接種できます。

当日の予約もとれますので、オンライン予約の「予防接種」からご予約下さい。

◆まとめ◆

●9月中に1回目を接種できなくてもあきらめないで!

●10月に接種開始でも、3回無料で接種できますが、

●なるべくはやめに1回目を、がおすすめ

●遅くても11月中旬までには1回目を

*引用文献*

厚生労働省 10月からの定期接種化等について

Inaba Clinic院長・産婦人科専門医

稲葉可奈子

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