コラム
次世代mRNAワクチン「コスタイベ」
「コスタイベ」は、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の予防を目的とする次世代mRNAワクチン(レプリコンワクチン)です。
これまでのmRNAワクチンとなにが違うの?
すでに世界中で活用されているmRNAワクチンですが、mRNAがこわれやすいため効果が長続きしないことが課題の1つです。
レプリコンワクチンは、抗原たんぱく質のmRNAに加えて、mRNAを複製する「レプリカーゼ」の遺伝情報を含むことで、体内でmRNAを複製して増殖できます。そのため、従来のmRNAワクチンよりも少ない量のワクチンで、より長い期間、より多くの抗体を作ることができます。
mRNAは永久に増殖されるわけではなく、mRNAの増加は7~8日目まで、抗原たんぱく質の増加は15日目までといわれています。
「レプリコン」は、生物学用語で「複製されるRNA(またはDNA)」という意味です。レプリコンワクチンの仕組みは、感染症予防だけではなく、将来的には癌や免疫疾患の治療にも応用されることが期待されています。
効果や副反応は?
2021年よりベトナムで、2022年より国内で臨床試験が行われ、
発症予防効果が56.6%、重症化予防効果が95.3%と、従来のmRNAワクチンと比較して遜色ない結果でした。むしろ、従来のmRNAワクチンよりも中和抗体価が高く、その高い抗体価がより長く持続することが報告されています。
従来のmRNAワクチンは6ヶ月程度で感染/発症予防効果が減弱していくのに対して、
コスタイベは接種後12ヶ月間維持されることが確認されています。
副反応は、痛み、発熱、倦怠感、筋肉痛などで、従来のmRNAワクチンと大きな違いはなく、発生頻度も同程度です。データ上は同程度なのですが、自分自身を含めて実際に接種した方たちの感想としては、これまでのmRNAワクチンの副反応よりも若干ラクだった、という印象です。
発熱の程度や、痛みの程度の違いで、データ上は数字に反映されない違いではありますが、実際に接種するとなるとやはり少しでも副反応が軽い方がありがたいものです。
まとめると
・これまでのmRNAワクチンと同等かそれ以上の効果で
・より長く効果がもち(1年)
・副反応は同程度か少し軽い
・しかも同じ値段!
※値段は、医療機関によって異なる可能性はありますが、知る限り、どこも従来のmRNAワクチンと同価格です。
と、いいこと尽くしなのですが、
1点難点は、今年は1バイアル16人分!を6時間以内に接種しないといけない、
というかなりハードルの高い条件となっており、
扱っていない医療機関が多かったり、
扱っているところでも、接種できる日程が限られてしまっているのです。
現時点で、渋谷区でコスタイベを接種できるのは当院だけで、
渋谷区以外からも接種に来られる方が多くおられますが、
みなさん口をそろえて「せっかくなら長持ちする方がよいし、しかも同じ値段だし」と仰られています。
分注などの手間を考えると正直同じ値段はキツいのですが、
でも予防接種は医療費控除の対象にもならないですし、
がんばって同価格で提供しております。
なお、
・コスタイベを接種できるのは18歳以上
・妊婦さんも接種可
・インフルエンザワクチンなどほかのワクチンと同時接種可
です。
コスタイベの接種日程は随時お知らせしていきますのでHPや院長のSNSにてご確認下さい!
※引用文献はリンクとしてつけています。
Inaba Clinic院長・産婦人科専門医
稲葉可奈子
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