コラム

みなさんこんにちは、Inaba Clinic院長の稲葉可奈子です。

2025年5月、日本で初めてプロゲステロン単剤の経口避妊薬「スリンダ（一般名：ドロスピレノン）」が承認されました！

これまでの経口避妊薬は、エストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンを配合した「混合型経口避妊薬」のみでしたが、今回の承認により、日本でもプロゲステロンのみの経口避妊薬を使うことができるようになりました。

プロゲステロンのみの経口避妊薬は、プロゲステロン（黄体ホルモン）による排卵抑制、子宮内膜の変化、頸管粘液の粘性上昇などにより妊娠を防ぎます。欧米では既に広く使用されていますが、日本では今回が初の承認となります。

従来の混合型経口避妊薬は、静脈血栓塞栓症リスクなどのあるエストロゲンを含むため、喫煙者、肥満、高血圧、45歳以上、血栓リスクを抱える女性などには使用が制限されていました。プロゲステロン単剤の経口避妊薬が承認されたことにより、これまで経口避妊薬の使用を制限されていた女性たちにも、望まない妊娠を防ぐための手段が提供されることになります。

従来のピルは使用できないと思っていた女性たちにも、経口避妊薬の選択肢が増えたことで、日本のSRHR（セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス＆ライツ）がより前進して、産婦人科医としてとてもうれしく思います。

日本では、避妊法としては不確実性の高いコンドームが主流ですが、コンドームの避妊効果は高くありません。今すぐの妊娠を望んでいない場合は、避妊効果が高く、かつ、女性自身が行うことができるという点でもより確実な方法で、望まない妊娠を防いで頂きたいと思います。

6月30日（月）発売開始のため、

Inaba Clinicでは　6月30日（月）16時～　処方可能となります。

避妊薬のため、保険診療の対象ではないため、自費となります。

スリンダ　１シート（28日）　3,300円（税込み、診察料別）

　自費初診料　3,300円

　自費再診料　2,200円

そのほか、必要時に検査費用がかかります。

スリンダ内服をご検討されたい方はどうぞご受診下さい。

産婦人科医専門医・Inaba Clinic院長

稲葉可奈子